賽は投げられた

賽は投げられた

自閉症グレーの長男とまだ赤ちゃんの次男を抱えたすったもんだの日々を綴ります。

発達障害の疑い〜療育にいくまで③発達検査

これで最後になります。

◆一回目
risiko.hatenablog.com



◆二回目
risiko.hatenablog.com


区の福祉センターでは、療育に通うまでに3ステップが必要でした。

1.心理士による発達検査
2.言語聴覚士による聞こえの検査
3.医師による検査結果のお知らせ

そして、その結果を用いてそれぞれに合った療育グループに振り分けられます。
希望は出せますが通るかどうかは不明。

希望者が多くて、待機組が多いとのことでした。


さらに、区の福祉センターで行う療育は、総合福祉と言ったらいいのでしょうか。
りょたのように発達に問題を抱えている人だけではなく、体が不自由な人も通う場所でした。

だからこそ余計に私は身構えてしまったのです。


ここに通わせるほど、りょたは重いんだろうか…


予約を入れましたものの、もやもやは続く日々でした。
最初の検査まで、2か月以上あったからかもしれません。

一歩間違えればノイローゼ。

不安で不安で押しつぶられそうでした。



予約の電話の時、りょたの症状を詳しく聞かれ、どこに困り感があるかなど電話をとってくれた保健師さん(だと思う…)が親身に聞いてくれました。

そこでも、アドバイスをいただきました。


「検査まで時間があるので、ごっこ遊びをしてみてください。言葉の発達には、ごっこ遊びがいいですよ」
 

公園遊びが終わって、家に帰るとき、なかなか入らず泣き叫んでいたのも話したところ。


「スケジュールというか、こうしたら次はこれをするっていう見通しがわからないんでしょうね。公園から出るまでに、おうちの写真とか見せて、見通しを立ててみてあげてください」

「後は、出かける前にも、写真を並べて、今日は『公園に行く』『おうちに帰るよ』と見せながら話してみてください。最初はわからなくても、徐々にわかってくるようになってきますよ」



スケジュールに関しては、チャレンジしてみました。
最初は、写真を物珍しそうに見ていて、眺めていました。
時には、離さないときも(苦笑)

何度か、見せるうちに、今日はここへ行こうと写真を見せて行くことができました。
でも、それも、楽しい体験とセットで。
行った先でりょたの楽しいことがあれば行きますが、つまらないと怒って、違う場所へ行きたがりましたが……。


ごっこ遊びは、もうどうしたものか…と悩みました。


当時のりょたは、人形なんてまるで興味なし。
人形はボールか!?と突っ込みたくなるほど、投げてはケタケタ笑ってました。


ごっこ遊びってどうやるの?
教えてグーグル先生…

検索する日々でした。


とある日、早いかも?と思いつつ買ったプラレールで電車のまねっこをしているりょたに、違うプラレールをもって「こんにちは」と話しかけてみました。


これが大当たり!


りょたは、目を輝かせて、じっとプラレールを見つめました。

私は、続けて

「僕、目黒線だよ。君は何線かな?」
「あー、東横線くんだね。こんにちは」

と会話を続けました。

もっと!と目を輝かせるりょたに嬉しくなって何度も何度も同じセリフを繰り返しました。
そのうち、りょたはたどたどしい言葉で、「こんにちは」というと「こんにちは」と返してくれました。


そうか!
人形じゃなくてもいいんだ!

トーマスだって、機関車なのにしゃべるじゃん!

プラレールがしゃべったって、おかしくないじゃん!


本人の興味を広げましょうとかよく育児本に書いてあるけど、こういうことか!と身をもって体験した出来事でした。



発達検査の話なのに、すっかりそれましたが・・・・


とうとう、検査の日が来ました。

発達検査

初めて入る福祉センターにりょたは興味津々。
キョロキョロと周りを見回して、小走り。

検査の5分前に到着したのに、あちこち行きたがるりょたにすでに体力0の私。


最初の発達検査は、電話で話を聞いてくれた保健師さんと、心理士の優しそうは男の先生とで行いました。


私は書くように言われていた成育歴と困りごとが書いてある紙を保健師さんに渡し、それに沿って、話を聞かれました。
りょたは、心理士さんと、検査をしていたのですが、その様子は、話をしていてさっぱりわかりません・・

ただ、男の人が好きなりょたはニコニコと笑顔で、検査を受けていたと思います。
途中何度か、逃亡をしていましたが、呼ばれれば振り向いていました。


何を聞かれたのか書きたいところですが、体力0だった私は、何も覚えておりません。すみません・・・・。


りょたの検査が終わり、最後に心理士さんが、「ジャンプはできますか?」など、体の発達について聞いてきました。
それに答えた後、質問はありますか?と聞かれ、動画について聞きました。


そのころ、りょたは、東横線が大好きで、東横線がただ、到着する動画を見続けてしまっていまいた。
いや、本当にただ、到着して、出発するだけの動画。
5分もしたら私は飽きてしまうのですが、それをずーっと見続けるのです。


ダメだろうな…と思いつつ、気力がなかった私はそれをよしとしまっていました。


「うーん。動画は一方的なコミュニケーションなので、2時間とか、3時間とか見続けない方がいいですが…」


優しい先生は、言葉を濁してそう言いました。

たぶん、色々察してくれてはいたんだと思います。


「りょた君は、自分からの発信は多いけど、こちらの受信はなかなかしてくれないですね」


先生の言葉に、思わず「そうです!そうなんです!」と言ってしまいました。


「療育で、弱い受信する力をつけていきましょう」


そう優しく言われて、その日は終わりました。


聴覚検査


別の日に、聞こえの検査がありました。
右と左にテレビがあり、真ん中には机と椅子があり、りょたは座って検査を受けました。

右と左、交互にテレビが付き、それに振り向くりょた。

最初は好きなテレビが映っているのにニコニコとしてましたが、ブツッと途中で切れるテレビに不安になったのか後ろに見ていた私のところへ来ました。

先生が、膝の上でも構いませんよと言ったので、私の膝の上にのって検査を続けました。

その後は、鼓膜の検査。

耳掃除が大・大・大キライなりょたですが、先生促すとわりとすんなり、耳に器具を入れられました。


その後は、おもちゃを出しての検査?です。


並んだ棒に丸いわっかを入れるおもちゃで、カラフルなわっかが綺麗に並んでいるおもちゃにりょたは食いつきました。
全部、キレイに出して満足げなりょた。
その時、先生が出したわっかをもとに戻しました。

やりたがったりょたは手を伸ばすのですが、先生はさっともっていたわっかを隠し

「ちょうだい」

と一言。


いつもだったらすぐに欲しいものをもらえていたりょたは、戸惑いました。
先生へ手を伸ばして「あー!」と声を出します。

それを何度か繰り返した後、ついにりょた爆発!


おもちゃを抱えて部屋の隅へ逃走しました。


思わず駆け寄った私に先生は制しました。

そして、一人で遊ぶりょたを見つめながら、哀しい気持ちがこみ上げてきました。


先生は私に優しく話かけました。


「今はまだ、言葉を出すっていうよりも、『音を出している段階』だと思います。言っている言葉を聞き取ろうとするのでは、なく同じテンションを上げれば今はいいですよ。言葉を促すなら、りょた君の立場になって、声掛けをするのがいいですよ」


「気持ちを受け止めてもらっているという力が弱いです。だから、不満ばかりたまってしまうので、切り替えが難しくてかんしゃくにつながる」


「きっとご両親が受け止めすぎている。察してやってしまうので、コミュニケーションの力が伸び悩む。どこまで彼を受け止めるかは、療育で一緒に学んでいきましょう」


先生と話している間、おもちゃに飽きたりょたは、私のカバンの中身をあさりはじめました。
うわーーー!と思いながらも、飽きるまではと見つめていたら

先生「ああいうのも触るまえに一回止まらせて、『触っていい?』というのがいいですよ」


そう教えてくれて、その日は終わりました。


夜、ダンナにその出来事を話すと


「そりゃ、怒るにきまっているよ。りょたからすれば、いじわるされたようなもんだしな」


と言われ、確かにそうだ…と思ったのを覚えています。



医師の検査

医師の検査は、発達検査の結果とその詳細を教えてくれるものでした。

検査年齢:2.4歳

結果は、DQ75。
生活年齢2.5歳
発達年齢1.10歳

言語・社会性(言葉を聞いて理解する力)が特に遅れていて、1.8歳でした。

紙を見た時、一瞬、頭が真っ白になりました。
それと同時に思ったのです。


ああ、やっぱり遅れてるんだ・・


先生におそるおそる聞きました。


「りょたは、発達障害なのでしょうか?」


キリッとした感じの女性の先生は答えました。


「今の段階ではなんとも言えません。このデーターも参考までに見ていてください。というのも、0歳から6歳は爆発的に伸びる時期で、伸び方は個々に違います。だから、これから伸びる時期がくるかと思います。」


先生はさらに熱く続けました。


発達障害っていいますけど、私はその言葉好きじゃないんです。特性の一つだと思っています。東大生のIQっていくつか知っていますか?120ですよ。平均が100なので、その子たちは、はみ出してしまうんです。じゃあ、その子たちは障害者ですか?違いますよね?おかしな話です」

まくしたてる先生に、思わず笑ってしまいました。

そしてりょたを見つめて、続けました。
ちょうどりょたは、保育士さんと遊んでいて、長い棒のようなものを目の近くで見て遊んでいました。


「横目で見ていますね。ああやって目に近づけるほうが、ダイナミックに見えて、刺激的なんです」


さらに、カタカタおもちゃをして、カタカタとするおもちゃに喜んでぴょんぴょんはねるりょたを見て

「あの喜び方もそうですね。体全体で脳に刺激を送っているんです。りょた君は歩きますか?」

「歩きますけど、ほとんど走ってます」

「きっと、体幹が弱いんでしょうね。姿勢を保ってられずに、走った方が楽なんです」


なんと、走った方が楽とな!?


りょたの不思議な行動を一つ一つ解説してくれて、目が覚める思いでした。


「運動をした方がいいですね。感覚統合かな?療育で決めていきましょう」


検査が終わり、建物を後にした後、なんとなくスッキリした気持ちでいました。



ダンナに気にしすぎじゃない?と言われ続けてきて、そうかもとグラグラしていた自分。
でも、やっぱり、りょたは遅れている。
2歳とは思わずに1歳と思えば、なんとなくしっくりくる。


私のカンは合っていたんだ……


力が抜けました。



一方、ダンナの方がショックが大きかったです。


「こんなに遅れているんだ…」


やっぱり、数字で出されると説得力ありますからね。
しばらく落ち込んで、発達障害の記事とか調べていました。

でも、しばらくしたら


「調べるのはやめた。りょたをりょたとして見れなくなる。俺はりょた自身を見る」

「そうだね」

「療育は大変だろうけど、協力する。今はできることをしよう」


その後、4月から修一で同じ場所で療育を受けることに決まりました。
少人数のグループで、運動したり遊んだりするとのこと。

モヤモヤが晴れて、これから!というときに、まさかの妊娠発覚!!


え?大丈夫か私…?


妊娠生活&療育生活のドタバタの日々が始まりました。



以上で、療育に行くまでのお話しはおしまいです。
長く読んでくださってありがとうございます。


あくまで我が家の結果ですが参考になれば幸いです。


私は発達検査や療育という言葉にビビっていました。
ものすごくハードルが高いもののように感じていました。

そして、わが子が発達障害だったらどうしよう・・・と不安でつぶれそうでした。


もし、もしも・・

同じように不安を抱えている人が見ていましたら、発達検査は怖いところではないと言いたいです。


自分の子供のことを理解できるチャンスの場でした。


検査に行くのは勇気のいることです。
周りに反対されていたら特に。


でも、一歩踏み出すことで私は世界がひらけました。


この文章が、誰かの背中を押せれば、この上なくうれしいです。





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